杉島大樹 さんからのメッセージ➀ 『 角木 写 』
「角木 写」 御売約済
上下が反り返り中央部で締まり、帯を巻き、四角い形をしています。
昔から仏器として 使われていた形で、祈りとともに捧げる花を活けるので、どこか神聖な雰囲気を持ちます。
古銅は鋳物で作られているものが殆どです。
鋳物の表面には光沢があり、そこには、シンメトリーで端正な美しさと、見る者を跳ね返すような独特の緊張感があります。
私は同じ古銅を鍛金技術で表現したくて作りました。
銅板を同じ形に4枚切り出し、曲げて、それぞれの角(エッジ)に、弱く小さな溶接を100回以上繰り返して4枚の板を組み上げていきます。溶接して丸くなった角(エッジ)を棒やすりで削って、鋭い印象の角(エッジ)を作っていき、最後に帯を巻きます。鋭い形の本体とは対照的に、帯は分厚くゆったりと贅沢な形にしています。
帯の位置は全体の高さの半分より少し下につけ、重心を下げて安定感を出しています。
そうすることで、上に向かうかたちが強まり、活けるお花も際立ちます。
最初から最後まで4面均等にずれなく作ることで出来上がる花器です。手で作っているので完璧にはいかないのですが、完璧を目指して、それでも出てきてしまうズレは見ていてとても美しく感じます。
杉島大樹
『 角木 写 』
素 材:銅
サイズ:39 x 39 x 200 (㎜)
価 格:¥60,000 + 消費税